乳がん体験記①もしかして
2017/07/13
乳がんプロフィール
乳がん経験者としてのわたしのプロフィールを紹介します。
42歳、小学生の子ども2人、2人とも母乳育児。わたしの母は30代後半で乳がんになり、40代前半で死去。母方の祖父は胃がん。2016年春、左乳房全摘手術を受けました。現在ホルモン治療中です。
浸潤性乳管がん、腫瘍大2.2㎝、リンパ節転移なし、遠隔転移なし、ステージⅡA、ホルモン陽性、HER2陰性。
乳がんは10人に1人がかかるともいわれる身近な病気です。本当に誰にでも起こりうる病気です。
わたしは乳がん治療のなかでは、きっと一番軽い治療を受けています。わたしよりもキツイ治療を受けている方たちがほとんどだと思います。がんもいろいろ、治療のプロセスも痛みの感じ方も、人それぞれ違います。わたしは自分が体験したことしか書くことはできませんが、それでも一つの事例として、誰かのお役に立てればと思っています。
とはいえ、治療は始まったばかり。この先再発したり、移転したりすることがあるかもしれません。また、わたしには娘がいるので、娘の将来を考えると心配です。娘のためにも、この体験を残したいと思っています。
お風呂で、あれ?
2015年11月
わたしが自分の乳房に何かしこりのようなものを感じたのは、入浴中でした。身体を洗う時、ボディーソープを直接手に取って手で洗っていたので、身体を洗いながら「あれ?」と思ったのです。
左乳房の外側、乳首と脇のちょうど中間あたりが固く感じられます。授乳中はよく乳房が固くなったりしたましたが、今はお役御免で、おっぱい自体にハリがありません( ノД`)。なので、固さが際立ちます。
触ってみると、脇と乳首を結ぶ対角線上にあって、縦に細長い感じ。固いなと思う部分は、1センチくらいでしょうか。触ってみると、少し痛みもあります。乳腺だよな、きっと。そう思いました。
がん、じゃないはず。
大丈夫なはず。
そう思うには理由がありました。検診を受けていたからです。
母が乳がんで亡くなったこともあり、それまでに2回マンモグラフィを受けていました。2年ごとの定期健診で、超音波かマンモを選べたのですが、授乳をやめてだいぶ経っていたこともあり、2回ともマンモを受け、検査結果は異状なしでした。直近の乳がん検診から1年も経っていません。がんであるわけがない、そう思いました。
それでも気になってインターネットで調べてみたりもしました。しかし、わたしの症状とは違うような気がしました。
痛みがあった
この固いしこりのような部分がいつからできていたのかは分かりません。それまで気が付かなかったのが不思議ではあるけれど、違和感はなかったのです。
しこりに気づき、よく触るようになったからなのか、しこりが少しずつ大きくなったからなのか、そのしこりの部分に痛みを感じるようになりました。少しズキズキするような痛みです。常に痛いというわけではないけれど、触ると確かに痛いし、ときどきズキッとする。そんな感じです。
インターネットなどの専門医の説明などでも、乳がんは痛みがないという意見があります。確かに、がんの腫瘍自体は痛みを発するものではないのかもしれません。しかし、しこりが大きくなるにつれて、痛みは感じると思います。
それはきっと、少しづつ乳房内の組織ががん細胞に巻き込まれていくからなのではないかと思います。わたしは医者ではないのでそれが正しいかは分かりませんが、わたしがしこりを感じたとき、大きくなっているような気がしたとき、内側に向かってひきつるような感覚がありました。
乳がんを見つけるサインの一つに、乳房の皮膚がエクボのようにへこんだとき、というのがあります。これはまさしく組織ががん細胞に巻き込まれているからです。そして、その現象と同時に、痛みを感じる場合があるのだと思います。
痛みがあるから、がんではない。その過信は危険です。
痛みがあっても、わたしのように、がんである場合があるので、早めに乳腺クリニックを受診してくださいね。